リトープス コノフィツム アルギロデルマ ギバエウム ケイリドプシス フェネストラリア 葉が落ちる冬型
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   メセンの栽培 再考のお勧め

 

ネットでメセンの栽培、リトープスの栽培、コノフィツムの栽培で検索すると様々なサイトが出てきます。

これまでメセンは冬成長型とされ、メセンは冬に成長 夏は断水 日陰か半日陰で栽培。 夏を越すのが厄介と書かれていました。お読みの方も検索して複数の栽培方法をお読みください。サイト毎で様々な事が書かれています。書かれている通りに栽培してもメセンの栽培は、何十年間も栽培困難と言われています。何が原因でどのように対応すれば栽培が上手くできるのか考えてみました。

リトープスやコノフィツムだけではなく、全てのメセンは、自生地の自然環境や降雨時期に依存して成長している筈です。しかし、リトープス属だけでも広大な地域に生えて環境は様々です。コノフィツムも西海岸沿岸部の冬降雨地域と内陸部の夏降雨地域、中間的な周年降雨地域に分かれています。メセン科の中には、いろいろな生育タイプがあるのですが、夏成長型は夏降雨地域で内陸部の標高が高い所に生えている苗が多く、日本の暑さには、弱いのです。逆に標高が高いから冬は寒く夏型の多くは、耐寒性が強い傾向があります。耐寒性が強いけれど、内陸部の1000mほどの高原の冬は寒く成長する気温ではない場所が殆どです。夏に雨が降り、冷涼な気候で育つと考えた方が合理的です。(南アフリカ国土の平均標高は900mです。)
西海岸沿岸部に生えるメセンは、比較的低地であり、冬に雨が降り、海岸近くで温暖な冬で、夏は低地なので高温になります。。モニラリアは、雨季になる秋に芽が出てきて初夏には葉が枯れてしまいます。冬成長型は温暖な冬に成長しますので耐寒性はあまりありません。日本でも寒波到来で一番先に葉が凍り萎びるのが西海岸沿いのモニラリアの仲間になります。
栽培している植物の自生地情報を集めていれば、日本での栽培で差分をすり合わせする事が出来ます。いくつかの自生地グループに分けて管理する事が可能なら、メセンの栽培が随分と楽になる事でしょう。数年栽培すればこの苗は、どのような栽培をすれば失敗しないか自生地環境と日本の自宅の庭が頭の中でリンクする事が出来るようになります。メセンの栽培は、苗の自生地と日本の環境の差を理解する事を頭の片隅に常に置いておけばいいと思うのです。

このような事を踏まえながら、失敗が極めて少ない栽培方法を考えると、成長型に関わらずに日本の夏の「断水管理と日陰管理」が一番の大きな障害となっていると思えます。砂漠気候の地面に生えている植物に寒冷紗はありません。確かに岩の間に生育する、体を土に潜らせて成長するなどはありますが、一様に光を弱めて良い訳がありません。何年間か実験したのですが夏に有効(脱落しない)寒冷紗の減光率は、その減光率で周年栽培が出来る減光率なのです。なのでとても明るい減光率の少ないネットで減光します。過度な減光や日陰管理では光合成が少ししかできないので衰弱死するのではないか。(本当に多くの苗で減光率25-35%であれば周年栽培できるのですよ) ですので気温の高い日本、雨除けで空気が籠りがちになる栽培環境では夏の寒冷紗使用は必要悪と解釈して過度な減光を行わないで積極的に利用しましょう。

次に水やりですが夏に必要最小限の減光があるにしても周年太陽に当てる栽培ですから、冬に水を与え3日間湿り気がある培養土でも、夏には夕方に水を与え翌日の午前中に乾燥してしまいます。夏型・冬型関係なく週に1度水(私は5日に一度)を与えて何も悪いことが起きません。夏に冠水することで、完全冬型の葉が落ちるモニラリアやマウガニエラ等では夏の脱落者が大幅に少なくなりますし、夏降雨地域で標高の高い場所で成長するリトープスとコノフィツムの一部では、緩やかに成長します。旧来の日陰管理や減光率を大きくして断水し成長を遮断する栽培に比べて苗の様子が全く異なり夏でも余裕を持ち栽培できます。私は、この夏にも前向きに緩やかに成長させる栽培方法に切り替える事をお勧めいたします。ただし、この栽培方法を行うのであれば、風通し最大にし、すこしでも熱が籠らない様に栽培場の見直しを行ってくださいね。そして栽培環境での苗に合わせた減光率のテストも必要です。30-35%程度からテストを行うと良いのではないかと思います。減光率75%では減光が強すぎ、20%以下では効果が期待できません。
困難だ!夏に腐ると言われ続けて来たのは、日陰管理、過度な寒冷紗と断水であると私は、考えています。
15年ほど前にある掲示板にプレイオスピロス帝玉が夏に腐ると皆さんが書き込みされていたのに対して、日焼けするほどの太陽を与えろとと書いたことが有ります。秋になり、その方々から、生き延びたとのお礼を頂いた記憶があります。
時代が進化しても、メセンの栽培方法は昭和時代から、伝承された栽培方法が続いているようです。
此処まで読まれて分かった方の多いかと思いますが冬成長型と夏成長型をこの方法でも著しく異なる栽培方法を行う必要が無いのですね。大地に生えている苗とポットの苗の差が有りますが周年、日の光とその苗に適した水を与えることで栽培が容易になります。断水する必要は無いのです。

「リトープス脱皮が終わる6月新葉が出て、コノフィツムは旧葉の中で新葉の準備が整い・・・何故そこから休眠に入るのだ」 そんな疑問を考えたのが始まりでした。彼らは、6月に雨を受け入れる準備完了となり、降雨をひたすらに待っているのですね。この状況を休眠期と呼ぶことが正しいのでしょうか。花が咲き終わるのが成長サイクルの終わりとするのならば、リトープスもコノフィツムも主に秋に花が咲き、サイクルが終わるとするのが正しくないのか・・・私の疑問は広がります。

 

南アフリカ降雨時期
   南アフリカ 降雨時期 大まかな地図

 

 

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にくたま屋